RFIDパッケージ・NFCアプリの導入事例を紹介します。

製品情報

物流業界に対するタブレットPCを使ったソリューションの提案事例
タブレットPCを使ったソリューションの提案事例

月刊自動認識2011年6月号

月刊自動認識2011年6月号
月刊自動認識2011年6月号

当社はタブレットPCと小型ハンディーリーダーの組合せを中心にしたソリューション提案を昨年から積極的に行ってきた。 その中から今回は物流業界に対する提案事例を集めてみた。

御用聞きモデル

高齢化社会の進行とともに、いわゆる「買物弱者」という言葉に象徴されるようなお年寄りの存在がクローズアップされている。かつての御用聞きを復活させ、買物弱者の手助けを行うとともに、商店街の活性化も目指すモデル。
エレベータ設備のない老朽化した団地や、商業施設までの距離がある地域にひとりで暮らすお年寄りに、地域の商店街が中心になってサービスを提供する。
地元商店街の担当者が定期的にお年寄りを訪問し、
①前回発注された品物を届ける
②次回配達分を受注する
③お年寄りの安否の確認
以上を行う。
担当者はタブレットPCと小型バーコードリーダを持ち、スムーズな受注を行い、受注データはその場でWEBからサーバへ送信される。サーバからは、買物リスト等が出力される。
行政の関与があればさらに奥行きのあるシステムへ進化も期待できる。
タブレットPCには、さまざまなアプリを追加でき、例えば介護メニューの追加も可能である。

図1 御用聞きモデル
図1 御用聞きモデル

配送管理モデル

本格的な配送管理システムを持たない中小の配送事業者、製造業の配送部門対する提案例。中小の輸送業者であっても、どの荷物をいつどのトラックが積み出し、いつ積下ろしたか? また、トラックは今どこを走っているのか?
これらの情報をリアルタイムで必要としているのは大手と同様である。大手業者の多くはすでに大規模なシステム化によりこれらの要件を実現させているが、中小は遅れ気味である。携帯電話機能があるタブレットPCとハンディリーダの組合せで、これら要件を手軽に提供できるモデル。
積出リストを端末にダウンロードし、対象の荷物のバーコードを読取って確認する。リストに合致すれば、「積出した」という情報をサーバへアップ。合致しなければ、間違いとしてアラートを発する。積下ろし時は同様に積下ろしリストをダウンロード、合致すれば「積下ろした」という情報をサーバにアップする。また、タブレットPCは定期的にGPSデータをサーバへ送信し、本部では地図上に位置を図示する。

図2 配送管理モデル
図2 配送管理モデル

小規模・多店舗販売店向けモデル

小規模な店舗を多店舗に展開する業態向けサービス。このような業態では、各店舗の情報がリアルタイムに吸い上げられるシステムはあまり普及しておらず、集計に時間がかかる例が多い。タブレットPCとハンディリーダの組合せで、簡単かつ安価なシステムを導入し、各店舗の情報がリアルタイムに本部に入り、経営に資するモデル。
タブレットPCとハンディリーダの組合せで、発注、売上げ、仕入れ、棚卸し等の販売管理全般を行う。データはタブレットPC経由で本部のサーバへ送信される。 また、会員のポイント管理も可能。本部では、各店舗の情報をリアルタイムで管理する。 

図3 小規模・多店舗販売モデル
図3 小規模・多店舗販売モデル

タクシー運行配車管理モデル

タクシー無線は電波の有効利用を促進するため、2016年5月31日までに現行のアナログからデジタル方式へ完全移行することが決定している。大手タクシー会社はデジタル移行が進んでいるが、中小のタクシー会社には負担が大きくなる場合がある。タブレットPCとシステムのASP化によりコストダウンを行い、中小向けに導入のハードルを下げたシステムの提案のモデル。
タブレットPCを使い、タクシーの「配車」「運行」「情報」の各管理を行う。定期的にGPSデータを発信することで、本部では地図上にデータをプロットして、車両の位置情報を表示する。空車、実車の別、乗車位置、下車位置をGPSを使い記録して、運行記録を自動で生成する。配車時の呼びかけもメッセージで行い、応じる場合は画面にタッチする。待機順番等もメッセージで表示するなど、現状のアナログ無線で行っている機能をほぼ満たし、また本部においてはCTIとも連動する。

図4 タクシー運行配車管理モデル
図4 タクシー運行配車管理モデル

国際引越し 反復資材活用モデル

国際引越し際に多数必要となる反復資材を効率よく管理することで、コストダウンを実現するモデル。 反復資材に貼ってあるRFタグを、各拠点のリーダが読取り、どの国から出庫し、どの国へ入庫したかをタブレットPC経由、インターネットで情報を全社的に共有する。

図5 国際引越し 反復資材活用モデル
図5 国際引越し 反復資材活用モデル

おわりに:今後の展望

携帯電話販売に占めるスマートフォンの比率が5割を超えたとの報道がなされた。スマートフォン、タブレットPCの勢いは止まらない。やがてソリューション分野にも普及するのは時間の問題と思われる。私どもハヤト・インフォメーションはこれまでハンディ・ターミナルを使ったバーコードやRFタグのソリューションを提供してきた。今回はバーコードの事例が多かったが、今後はスマートフォン・タブレットPCとRFIDリーダとの組合わせ提案を増やして行きたいと考える。