RFIDパッケージ・NFCアプリの導入事例を紹介します。

製品情報

認知症による道まよいを自動販売機が発見し、保護者にLINEで通知
地域を見守る「ミマモライド」プロジェクト

合同会社トキニライド × 株式会社ハヤト・インフォメーション

沖縄県で実施されました平成31年度アジアITビジネス活性化推進事業のIT活用ビジネスモデル・テストベッド構築支援事業にプロジェクトが採択され、システムの構築を行いました。

プロジェクトについて

高齢化が進む中、認知症の方の道まよいが増えており、その捜索は家族や地域にとって大きな負担となっています。本プロジェクトでは、自動販売機と身近なITツールを活用した見守りシステムを構築。タグ(発信器)を身につけた認知症の方が、センサーを内蔵した自動販売機の前を通過すると、保護者にLINEでアラート(通知)が届き、当人の所在地をGoogleマップ上に表示します。当人が「今どこにいるか」が素早く把握できるため、少人数で短時間のうちに捜索でき、「認知症の方が外出しても問題ないまちづくり」を実現します。

事業概要

タグを持った認知症の方が、通常の行動範囲とは異なるエリアの自販機の前を通過すると、センサーが保護者にLINEで通知。保護者はその情報を包括支援センター等とLINEで共有し、捜索を行います。運営費は自販機の売上の一部を基金化して賄うため、行政補助も当事者負担も一切不要で事業が継続できます。

図1 概要図
図1 概要図

実証内容

宜野湾市内の認知症の方10人に2カ月間タグを持ってもらい、各自の自宅と市内の自動販売機50台にセンサーを設置。その記録をAI に学習させ、当人の行動が「日常の範囲」なのか「道まよい」なのかの判断精度を高めました。また、道まよいが発生した場合の捜索ルール等を確定し、運用マニュアルを作成します。

今回制作した自動販売機用の受信機 今回制作した自動販売機用の受信機
(LoRaモジュール、GPS、ESPマイコンを実装)
ランニングコストを抑えるため、上位との通信はLoRaで行う。
高所に設置されたLoRaの中継機 高所に設置されたLoRaの中継機
この中継機1台で半径2kmの範囲をカバーする。

事業の有効性

認知症の方やその家族が安心して生活できるようになるのはもちろん、道まよいが起きた際も現状のような「山狩り」ではなく、3~4人でスピーディーに捜索でき、捜索にあたる行政や地域住民の負担が大幅に軽減されます。また自販機も「本機は地域に貢献しています」とPRすることにより、売上アップが見込めます。

事業のターゲット

自販機を運営するメーカー/オペレーター/オーナーにセンサーの設置と基金への参加を呼びかけるとともに、県内の自治体等に協力を打診し、対応エリアを広げていきます。将来的には認知症の方だけでなく、子どもやペットの捜索にも応用を進め、日本全国で「地域で見守る社会」の実現を目指します。