エイリアンリーダ事例(Lexar社様)
フラッシュメモリ生産工程管理事例
USBフラッシュドライブなどを製造
メーカーの倉庫から流通センター、小売店の売り場に並ぶまで、小売用製品の流れを追うと、数を数え、箱詰し、発送し、検証し、そして数量と積荷の再確認といった非効率的なプロセスです。流通を合理化することや効率良くすることにウォルマートを含む大型小売店は、主要な製造業者と電子製品コード(EPC(※1))への取り組みを実施していました。ウォルマートのEPCへの取り組みは2005年に始まり、メーカーから流通センター、そして販売店へと、商品を追跡するためにRFIDソリューションを使用しています。
ウォルマートへの利点は多面的です。 ウォルマートのEPCへの取り組みに関する独立した研究によると、小売店はタグ無しの商品よりタグ付きの商品の在庫を3倍ほど早く補充することができます。タグを付けることは、プロモーション用の製品が配達され、正しく値札が付けられ、広告された日に販売するために陳列されていることを確認するのに役立っています。よりよい在庫管理システムは、店長が店に余分な在庫を置かないようにするにも役立ちます。
メーカーの場合、製品にタグ付けを行うことによって、新製品が販売経路を通り店舗の売り場に並ぶようになるまでの時間が短縮されます。具体的には、RFIDのタグを付けることで箱型のパレットの奥底の方に詰められた製品でもメーカーの流通過程で重要なポイントごとに追跡され、数え上げられるので、配達証明、発注調整にも役立ちます。
チャレンジ
ウォルマートのEPCへの取り組みの主要な協力者の1つはMicron Technology社の子会社であるLexar社です。カリフォルニアのフリーモントに拠点を置くLexar社は大手販売メーカーで、メモリーカードを含むNAND型フラッシュメモリ、フラッシュドライブ、カードリーダー、デジタル写真、家電、産業用および通信市場向けのATAコントローラ技術を扱っています。
Lexar社は、コダックブランドでメモリーカードの販売もしていますし、人気の共同ブランドDisneyのmy*styleでは、お気に入りのディズニーのテレビ番組や映画のキャラクターが印刷されたUSBフラッシュドライブやSDカードを製造しています。
ウォルマートのEPC流通プログラムの参加者としてLexar社は、サウスカロライナ州のダンカンの倉庫にRFID資産管理ソリューションを実装しました。インストールとテストのヘルプに、カリフォルニアのサンタクララに拠点を置く、製造、流通、輸送および物流にで顧客のためのRFIDソリューションを専門としているシステムインテグレーターのKeyTone Techonologies社に協力してもらいました。
Lexar社の倉庫オペレータは、ウォルマートの流通センターへ効率的に積荷を追跡する、ウォルマートのRFIDシステムに準じる自動化されたシステムが必要でした。
Lexar社の在庫追跡システムは1日でウォルマートの流通センターに向かった数百の注文を処理しなければいけません。 注文はサイズによって変動します。最大なのは、1年のうち小売店が繁盛するショッピングデーの1つである感謝祭翌日のブラックフライデーに向けての店舗の売り場への出荷です。このような大規模な出荷では150万もの様々なレキサー社の製品が含まれており、2日~4日で迅速に倉庫から出荷しなければいけません。
Lexar社での在庫追跡をより効率的に行う鍵はRFIDでした。
「我々は倉庫内のパレット全体の情報を応答させるRFIDの検証ポータルを構築する必要があった。」
と、Lexar社の上級ロジスティックス・アナリストのLee Mar氏が説明してします。
Lexar社の開発チームは、箱詰めされ、パレットに載せられ、ウォルマートの流通センターに配送するためにシュリンク包装(※2)された製品や注文品の移動を正確に把握したかった。
ソリューション
KeyTone Techonologies社とLexar社はAlien Technology社のGen2のRFID製品を使用して、倉庫にRFIDを用いた在庫追跡ソリューション構築に一緒に取り組みました。Lexar社は従業員が"犬小屋"とあだ名を付けた荷物の出荷場所のRFID検証ポータルを構築するために、Alien社の915MHzで動作する4ポートのALR-9800リーダー12台とアンテナ40台、プリンター12台を倉庫内に設置しました。
製品を追跡するために、Lexar社は、EPCに準拠したAlien社の技術のGen2SQUIGGLEタグを使用しています。Mar氏によると、Lexar社は1年でおよそ数百万のAlien社製のタグを使っています。Squiggleタグは高性能ソリューションです。動きの速い倉庫では在庫品を箱詰から発送まだの間に追跡することが必要であったため、有効ですし、シュリンク包装されパレットに乗せられても動作します。
Squiggleタグは860~960MHzで世界的な運用をサポートしており、EPCクラス1Gen2の価格性能基準と設定されています。Alien者のSquiggleタグとリーダーの組み合わせは、最適な読み取り範囲を提供し、在庫品がLexar社の倉庫を移動すると安定したパフォーマンスで読み取ります。
KeyTone社とLexar社はLexar社のSAPオーダリングシステムソフトウェアで動作するミドルウェアアプリケーションのERPインターフェースを読むシステムも構築します。Lexar社倉庫でのAlien社のハードウェアとソフトウェアの設置とテストはおよそ3週間で終わるという速さでした。「そのシステムはテストも設置も本当に速かった」とMar氏が述べています。
結果
Lexar社のRFIDソリューションは期待を超えていました。適所にRFIDを用いることで、Lexar社は日々の在庫やウォルマートの注文数量を簡単に追跡することができました。
「以前のUPCシステムでは、ケース内部の数量までは確認できませんでした。」
と、Mar氏が述べています。
もし、在庫品が行方知れずになったり、紛失した場合、倉庫チームはパレットや箱をひっかきまわさなければいけませんでした。「在庫品が置き間違えられた場合(本来の場所と違う場所に置かれた場合)、UPCシステムで追跡するには従業員7人がかりで4時間かかっていましたが、RFIDシステムは照会処理によって45分で見つけることができます。」とMar氏は付け加えました。
適所にあるAlien社のRFIDシステムによって、Lexar社は製品の製造から小売店への展開がより速くなることによって利益を得ます。ウォルマートが店舗でRFIDを使うようになって以来、Mar氏はLexar社の倉庫から発送された在庫品がウォルマートの売り場に届くまでの時間を算出しました。Mar氏は96時間も速いことに気づきました。
次のステップ
Lexar社のプロジェクトの次の段階はさらに多くのAlien社製RFIDリーダーを設置し、「スマートな倉庫」を作ることです。より多くのRFIDチェックポイントを置くことによって、オペレータは現状を確認することができるようになります。たとえ、梱包されていない在庫品が裏口から入ってきても、倉庫内の棚で監視され、梱包や発送されるために移動しても追跡できます。
倉庫全体の複数のRFIDチェックポイントによって、Lexar社の倉庫オペレータは、包装、最終的な製造、そして出荷を指定されたエリアに適切な製品を送ることができます。
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※1:EPC
Electronic Product Codeは、バーコードの最終的な後継として作成されたコード体系(コーディングスキーム)の一群である
※2:シュリンク包装
荷物を専用のビニールフィルムで覆い、加熱収縮させて荷物を強く固定保持する包装方法