RFIDパッケージ・NFCアプリの導入事例を紹介します。

製品情報

月刊自動認識2012年04月号
NFC携帯を使った、貸出用携帯端末管理

月刊自動認識2012年4月号

月刊自動認識2012年4月号
月刊自動認識2012年4月号

昨年末にNTTドコモから日本初のNFCサポート機能を搭載したGalaxy Nexus(サムスン)が発売、今年は1月にauが同じくNFC搭載のGalaxyシリーズGALAXY S II WiMAX を発売し、日本の携帯にとってNFC時代幕開けとなった。 また今年中には発売を予定されているiPhone5にはNFC搭載がうわさされており、もし実現すれは世界的にNFCの普及が爆発的に進む可能性がある。 日本ではこれまで物流、製造業中心に業界のごく一部でしか使用されてこなかったRFタグの技術が、一気にその裾野を広げていくことになり、NFC搭載携帯を使ったソリューションも多く誕生することになるだろう。その先駆けとして、今回はNFC携帯を使用した、貸出用携帯端末管理アプリを紹介したい。

システム概要

ソリューションの対象は携帯端末を多数保有し、且つ貸出/返却を行っている業種、携帯端末販売店、モバイルソリューション開発業者向けである。※図1 システム概要を参照。
各店舗・拠点には管理用アプリをインストールしたNFC携帯がある。管理される携帯端末は充電アダプタ等備品と一緒に収納袋に納められている。HF帯のRFタグは収納袋の表面に貼られている。このタグをNFC携帯で読取って、貸出/返却等の処理を行う。データは3G回線または無線LANを経由してクラウドサーバー(Google APP Engine)へ送信される。
管理者はクラウドサーバーにアクセスして、携帯端末の貸出状況等の情報を店舗・拠点ごとに把握する。

図1 システム概要
図1 システム概要

端末側機能

1.メイン画面

スマートフォンのタッチパネル機能を活かし、画面タッチで貸出、返却を選択する。
この画面は当社の貸出・返却管理パッケージのMANICAタッチレンタルを踏襲している。同パッケージは大型(20インチ)のタッチパネルPCとRFID、バーコードリーダを用途に合わせて選択できる高い自由度が特徴のシステム。
今回はこのパッケージのコンセプトをスマートフォンへ移行することで、小さな画面で使い勝手のよいインターフェイスを実現した。

図2 端末メイン画面
図2 端末メイン画面

2.貸出

貸出時はメイン画面の貸出を選択し、携帯端末のタグを読取る。読取った品名が複数件表示され、画面タッチで処理が完了する。

図3 貸出画面
図3 貸出画面

3.返却
返却時は同様にメイン画面から返却を選択し、携帯端末のタグを読取る。読取った品名が複数件表示され、画面タッチで処理が終了する。 図4 返却画面
図4 返却画面

4.棚卸
端末を登録時に、保管場所を合わせて登録。在庫中の端末情報を取り込んで、対象件数を表示。タグを読込んでいくと対象件数表示が減じ、正しく読み取られた件数として表示する数に加算されていく。
棚卸が終了すると、結果はサーバにアップされる。

サーバー側機能

1.ログイン

ID、PWを入力して管理者はログインを行う。

図5 ログイン画面
図5 ログイン画面

2.現況一覧画面

各店舗・拠点ごとの端末貸出状況が把握できる。担当者(貸出先)、貸出中・在庫中のステータス、貸出日時を表示。貸出中一覧や在庫中一覧にも切り替えが可能。CSV形式で出力も可能。

図6 現況一覧画面
図3 貸出画面

3.マスタ管理
端末情報、名称、管理No、保管場所、タグ情報を登録。併せて、担当者(貸出先)、保管場所も登録。
複数拠点を管理するスーパーバイザーは、店舗・拠点も登録する。
登録情報は権限者によって、閲覧・修正・削除が可能。
図4 返却画面
図4 返却画面

4.棚卸履歴管理
棚卸状況を時系列に表示。CSV出力が可能。

特長

携帯端末管理は多くの場合数も100点前後であり、これまで大掛かりなシステムを必要としてこなかった。ノートへの手書きや、EXCELシートへの入力などで管理できて来たのだが、最近は高価な端末が多く、管理の厳正化が求められている。
しかし、例えばUHF帯のRFタグを使い複数の端末を一気に読取って瞬時に棚卸を完了させるようなニーズもない。また高価なリーダの導入は店舗・拠点数が多いだけにコストアップに直結してしまう。
そこで企画したのが今回のシステム、携帯端末により携帯端末を管理させる方式だ。またクラウドサーバ、GAEを使用することでさらにコストダウンに成功。多数の拠点でも安価に展開ができる。
最新のNFC携帯端末を使用することで、来店者へのアピールもできる。来店者の多くがスマートフォンを使い貸出・返却・棚卸まで行う様子を見て、驚くことだろう。NFCの紹介を通じて最新スマートフォンの売上げ促進につなげたい携帯販社としても、導入へのモチベーションは高まると思われる。
また、日本の携帯はそもそもFeliCa機能を持つものが多いので、そうした端末の管理にはタグも必要ない。そうなればさらに導入へのハードルが下がる可能性もある。

今後の展望

NFC携帯の普及は、これまでBtoBのみであったと言っていいRFIDソリューションを一気にコンシューマーにより近い場所へ引き寄せる可能性がある。
例えば、ネットオークションへ常時出品している人にとって、在庫の管理は面倒な問題だ。NFC携帯とクラウドサーバで安価に管理できるツールが提供されれば、魅力的に感じるかも知れない。
家庭の中にも、趣味の世界にもまだ私たちが知らないニーズが眠っているだろう。
しかし私たちが最も期待をしていることは、RFタグの普及だ。NFC機能を持つ端末を多くの人が保持することにより、人々はRFタグから多くの情報を得ることになる。ブランド品の真贋から食品のトレーサビリティ、道案内や作品解説、その他あらゆる情報がタグを読むことで得られる。
人々はタグの向こうには無限とも思われる情報があることに気づき、タグはさらなる普及をしてゆく。かつて夢物語だったことが現実のものとなる、その最初の年が2012年、今年がそうした年であることを願っている。


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