RFIDパッケージ・NFCアプリの導入事例を紹介します。

製品情報

月刊自動認識2011年12月号
電力量計測器+クラウド+ケータイで省エネ努力を見える化

月刊自動認識2011年12月号

月刊自動認識2011年12月号
月刊自動認識2011年12月号

今夏ほど、国民の多くが省エネ・省電力を真剣に意識した年はなかった。 また企業にとってはきわめて具体的な15%といういう達成目標まで設定された上、場合によっては「罰金を課す」などとなり、経営者・担当者にとっては真剣を通り越し、必死に省エネに取り組むことを余儀なくされた夏であった。しかしながら、冬にむかって再び電力消費量の増加が懸念され、企業にとっては冬場に向けての省エネ策を検討さざるを得ない状況となっている。 当社においては、電力不足が懸念された原発事故後から省電力に向けたシステムの創造について検討を行ってきた。 そして年内を目標に発売開始を予定しているのが「ケータイ省エネシステム」である。 同システムは、電力消費量を自動的にモニタリングするという従来あった仕組みに、当社の得意分野であるケータイを絡め、社員全員が省エネに向けた取り組みを実行しやすくし、その実行結果を「見える化」する、というこれまでにないユニークなシステムである。

システム概要

ケータイ省エネシステムは、電力消費量をモニターしてその値を1分ごとに自動的に取り込んで表示する、デマンドコントローラ部と、その結果がアラートとなる場合に起動するケータイアラートシステム部の二つに分けることができる。(図-1 参照)

写真1 エコBOX
図1 ケータイ省エネシステム

1.デマンドコントローラー部

まずキュービクル(変電設備)の使用電力量をモニターする電力量計測器を設置する。計測器が電力のパルス検出を1分単位で行い、シーケンサー、CPUボードを経由して、無線LANポイントからデータはクラウドサーバにアップされる。(計画では近い将来、専用の通信モジュールに独自の料金設定を組み、サーバー利用料と通信料を合わせて回収することを企画している) 企業管理者は、クラウドサーバにアクセスし、自身の企業の電力使用量を1分間隔でモニタリングすることができる。(図-2 参照) ここで、企業管理者はデマンド値の設定を行う。(図-3 参照) デマンド値とは、30分単位で計測される電力使用量のことで、単位はkwh(キロワット/アワー)で計測される。 法人契約の場合、電力会社はこの値を管理しており、デマンド値が契約電力量を超えた場合、基本使用料金額が値上げされてしまう。(個人契約の場合、契約電力以上の電力を使用すると家庭のブレーカーが落ちるが、法人の場合は契約料が上がる) デマンド値は、省電力の目標値を設定する。従って多くの法人の管理者は、ここに総電力使用量が15%下回るような設定を行うだろう。 さて電力会社はデマンド値は30分単位でモニターしているが、当然ながらアラート(警告)はそれ以前に実施されなければならない。ケータイ省エネシステムでは、10分の時点で20分後の電力使用量を予測して、その値が設定されたデマンド値を上回った場合に、アラートを発する。電力会社に先立つこと20分でアラートが発せられるので、その20分間に社員が省エネ行動を行い、デマンドを回避する。

図1 エコBOXの登録
図2 デマンド値モニター

図1 エコBOXの登録
図3 デマンド値設定

2.ケータイアラートシステム部

アラートは企業管理者にはデマンド値モニター画面に表示される。そして一般社員にはあらかじめ登録された携帯アドレスにメールが届く。(図-4 参照)アラートメールをもらった社員は、各々が一斉に省エネ行動を行う。電力会社が実際にデマンドを計測するまで、最大で20分(メール送受信があり、主に携帯側の環境により若干の時間差が発生する可能性はある)あり、その間に、暖房温度を下げるまたは消す、消灯する、などを行う。  企業管理者は電力消費量を1分単位でモニターができるので、社員の省エネ行動の実績を確認することが可能となる。 一連の省エネ行動が完了した後、社員は自分が行ったエコ行動の登録を行う。(図-4 参照)アラートメールに付随しているリンクをクリックすると、サーバにアクセス。自分のエコ行動を登録することが可能となる。 エコ行動は一覧から選択する。候補となるエコ行動は、企業管理者が自由に設定できるので、季節や企業の事情等に合わせた設定が可能となる。 エコ行動は企業管理者によって集計が可能で、CSV型式による出力もできる。 誰が何回のエコ行動を取ったかなどの集計が可能なので、企業管理者は、多くのエコ行動を取って、企業の省エネに貢献した社員にインセンティブを与えることも可能となる。 このケータイアラートシステムによって、企業は社員のエコ行動自体を「見える化」することが可能となる。ちなみに、1アラートメールで登録できるエコ行動は1回のシステム的な制約をしている。

写真3 出荷時の読込み
図4 ケータイアラートメール

3.その他の機能
電力使用量を日次集計(図-5 参照)、月次集計(図-6 参照)ができるので、電力使用量のデータを蓄積することが可能。 図5 日次集計
図5 日時集計

図6 月次集計
図6 月次集計

導入効果

ケータイ省エネシステムは現在モニター企業で検証中である。 導入効果が期待できる企業も、ある一定以上の社員が常駐していることが前提であり、例えば社員の多くが外出してしまう営業主体の企業やラインから簡単に抜けることができない製造業などはあまり効果が期待できない。 しかし、病院、学校、役所、商業施設など多くの人員がいる業種はデマンド回避に向けた行動もとりやすいと見られ、実効もあがるのではないかと考える。また、こうした施設は一般的に電力使用量が多く(ちなみに東京都で最も電力を使用する大口ユーザは東京大学である)、総体的な電力量の抑制につながる大きな可能性を持っている。 

展望~ミニマム化=各家庭で、ワイド化=地域社会

省エネ、特に省電力のニーズは企業のみならず一般家庭においても同様に存在する。電力量計測器部分を排除して、電力使用量を入力すれば(電力会社からの請求書による)各家庭においても使用量の「見える化」が可能となる。 さらに視点を拡げていくと、地域社会が見えてくる。 例えば商店街に目を向ける。(図-7 参照)商店街がちょうど企業管理者の位置に就き、地域の省エネ活動の中核をなすとする。 各家庭は商店街が募集するエコ会員となり、商店街が発信する「お買得情報」のメールを受け取る。メールには省エネ行動を促す文言もあり、エコ行動登録へのリンクもある。エコ会員である各家庭の地域住民は、1メールに対して1つのエコ行動が選択、登録ができる。 商店街は定期的にエコ行動の集計を行い、かつ電力使用量の集計結果(これは各家庭で実施)と合わせて成績上位者に買物で使えるポイントを与える。このポイントには行政の支援も必要である。(この施策により行政は、商店街振興と電力使用の抑制という二つの政治的課題への貢献が可能である)

図2 出荷処理
図7 商店街モデル


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