RFIDパッケージ・NFCアプリの導入事例を紹介します。

製品情報

エイリアンリーダ事例(レースタイマー社様)
スポーツ競技判定事例


マラソンの競技判定にICタグを導入

精度と信頼性のある計測システムがマラソンや自転車レースのような競争の激しいスポーツ競技で判定のために使われます。 各選手に割り当てられているユニークで目立たない識別タグが選手を追跡し、レース結果に支障をきたすようなことはありません。 計測システムは、多くのランナーが一気にゴールしても瞬時に結果を生成し、処理を行います。 また、イベントの主催者は費用対効果の高い、安全装置が装備されているシステムを望んでいます。

チャレンジ

10年以上、競技での選手の計測にはLF帯RFIDやバーコードソリューションでの計測システムを使用していました。 これらの技術は出始めの頃、イベント主催者が使用できる計測システムとしては普通のものでした。

このような古いシステムでは、イベントに登録した各競技者は一意の識別タグ番号が割り当てられます。 IDは主にバーコードラベルまたはLF帯RFIDタグから構成され、ランナーの靴に付けました。 タグと一緒に、高価で使い勝手の悪い専用のマットが必要でした。 レース主催者は、競技のある度にこれらのマットを運び、グラウンド上に広げ、コース上でランナーを計測しなければいけませんでした。 指定のチェックポイントで選手のタイムを計測するために、マットには無線周波数アンテナが組み込まれていました。

ゴールでは、システムに確実にオフィシャルタイムを記録させるため、ランナーがタグを読み取ってもらうため一列に並んでいました。

2004年に設立されたスウェーデンのレースタイマー社は、ヨーロッパ全土で開催された大規模なマラソン大会の計測システムを開発することによりシステムの改善を試みました。 設立者は計測システム開発初期で欠陥に気づきました。

「初めは、レースの計測システムで使用された技術に多くの問題を発見しました。」と、レースタイマー社の共同設立者であるJoakim Lagergren氏が説明しています。 「ランナーはゴールで並び、タイムが記録されるのを待たなければいけませんでした。」 言うまでもなく、そのソリューションは選手に非常に不評でした。

また、既存の計測システムは高価でした。 LF帯のRFIDタグは競技開始前に各選手に配布され、選手が忘れたり、誤って捨ててしまう前のレース直後に回収していました。

「イベント主催者は、通常、あまり予算がありません。」と、Lagergren氏は話しています。 レースタイマー社は正確かつ信頼性の高い技術を使用し、解決策を見つけなければいけませんでした。 レース主催者が喜んで支払うような価格設定(何千ものタグのコストも含む)で利用可能にする必要がありました。

ソリューション

RFIDが組み込まれたゼッケン
タグが組み込まれたゼッケン
判定に使用するアンテナ
判定に使用するアンテナ

レースタイマー社は競技の計測システムを改良する方法を見つけるために、よりすぐれたバーコードやLF帯のソリューションを探し始めました。 レースタイマー社はエイリアンテクノロジー社のUHF帯RFID製品の利用を、十分なテストの後に決定し、それは正しい解決策でした。

レースタイマー社は、エイリアン社製ALR-8800シリーズのリーダーと、使い捨てUHF帯パッシブ型でEPCに準拠したGen2のSquiggleタグを使って、競技用計測システムを設計しました。 「地元のランニングクラブでエイリアン社のRFIDシステムを試してみました。」と、Lagergren氏が説明しています。 レースタイマー社は継続的にテストし、約2年間絶えず改良を加えました。

レースタイマー社は使い捨てのUHF帯RFIDタグを、以前のLF帯のタグを付けていた靴ではなく、ランナーの番号が書かれているゼッケンが適所であると判断しました。 体から数ミリ離して、小さなふたのついたものでランナーのレース用ゼッケンにRFIDタグを埋め込みます。(ランナーの体内の水分が弊害となるのを避けるため) タグとゼッケンの組み合わせは、ゼッケンと計測装置を別々に身に着ける必要がないため、ランナーの準備が楽になります。

結果

エイリアン社の非常に安定して信頼できるUHF帯リーダーとアンテナにより、ユニークなIDタグが読み込まれるため、ランナーはゴールで待つ必要がなくなりました。 最大20メートル(およそ60フィート)まで読み込み、各チェックポイントやゴールで識別してランナー取得できるRFIDの精度によってレース主催者は利益を得ます。 このソリューションは以前のバーコードやLF帯のRFIDシステムを超え、ランナー1人に対していくつかのタイムを記録します。

レースタイマー社のRFIDシステムはランナーのスタートタイムを計測する場合ようにランナーが密集しても処理することが可能です。 レースタイマー社のシステムはデータベースへのリンクが含まれているので、主催者はゴール通過後数秒以内にランナーを識別することができます。

レース主催者はまた、エイリアン社の使い捨てタグによって得をします。 レース終了後のタグ回収は混雑し時間がかかります。 「エイリアン製Squiggleタグは低価格で使い捨てなので、レース主催者はランナーに記念品としてレースのタグを渡すことができます。」と、エイリアンテクノロジー社の東アフリカからインドを販売ルートとしているディレクターStephen Crocker氏が説明します。

エイリアン社のソリューションでは、競技役員はどのレースでもわずかなスタッフとボランティアでまかなえます。 「エイリアン社のRFIDシステムによりレース主催者は時間と予算を節約します。」と、Lagergren氏は話しています。 「戻ってこないタグに高いお金を払っていたし、全てのタグを回収するために多くのスタッフを雇わなければいけませんでした。」

利点と次のステップ

現在、レースタイマー社はスカンジナビアでもっとも急速に成長した会社の一つで、主要なサイクリングイベント、BMXレース、クロスカントリー、トライアスロン、乗馬などの様々なスポーツイベントと契約しています。 エイリアン社製のUHF帯のリーダとタグソリューションを利用し、LF帯のRFIDと比べると、イベント毎のコストは20%、人手やリソースは最大5時間抑えられ、レースタイマー社の運営がかなり効果的になりました。

レースタイマー社は毎年30~40のレースでランナー25万人以上を計測するため、エイリアン社製のリーダーとタグを使います。 レースタイマー社はスカンジナビアで2番目に大きいクロスカントリーレースで有名な"献血マラソン"に計測システムを提供しています。

レースタイマー社はまた、2008年に小規模に展開した異なった分野で計測システム使用するための準備を計画しています。 「全てがうまくいけば、今後数年以内にシステムがヨーロッパの大部分に広まることを期待しています。」と、Lagergren氏は加えています。