RFIDパッケージ・NFCアプリの導入事例を紹介します。

製品情報

エイリアンリーダ事例(KWV社様)
ワインの製造工程管理事例


樽と固定台にタグが付けられる

KWVはブドウの虫害を受けていた南アフリカのワイン工場の安定のために 1918年に設立されたワイン醸造者の協同組合で、1997年に組織変更を行い会社化されました。 所在地は南アフリカのパールで、 KWVブランドの品は35の国々へ輸出されており、 その10年熟成のブランデーは世界的な知名度があります。 KWVにとってワイン作りは決して簡単な仕事ではありません。 ワインとは製造してから出荷するまでの間にただ保管しておけば良いという物ではなく、 完全に熟成されるまでその状態を慎重に追わなくてはいけない物なのです。

チャレンジ

現在、KWVではワインとブランデーの蒸留および熟成は オーク木製の樽を使用しています。

KWVのワイン生産者は、数々の施設を利用して、 様々な個性のある赤ワインや白ワインを フランス製またはアメリカ製のオーク樽で熟成させて作ります。

蒸留は、ワインのために厳選された設備で行われ、 熟成は最低3年間オーク樽で行われます。

元々の管理システムは自動化されておらず、以下の欠点がありました。 ・保管場所の割り当てが遅れる
・在庫データをスプレッドシートからデータベースへ手動で移行している
・個々の樽やバッチ(複数の樽の集合)の追跡に限界がある
・バッチ間の樽の移動情報がリアルタイムではない
・樽やその内容の情報にすぐにアクセス出来ない

ソリューション

KWVはシステムの分析と実現可能性調査、システム設計と仕様の作成、完全なシステムの実装、 トレーニングと技術的なサポートまでを含んだ簡易なRFIDソリューションを必要としていました。

既存のSAPシステムに自動的に統合できる事、 オーク樽の製造所から貯蔵所までの追跡機能を含み、 蒸留から熟成までのプロセスにおける内容物のトラッキングをバッチごとに行えることが必要でした。

トラッキングは個々の樽やバッチを商品ごと、内容物ごとに行うことができなくてはなりません。

また、リアルタイムな情報を以下の形式でレポート出力できることも必要とされていました。
・製造所からの樽の移動履歴
・現在の樽の状態とその履歴
・現在のバッチの状態とその履歴
・樽が関連づいているバッチの情報
・製造過程と位置による商品の移動履歴

重要な環境的要件として、オーク樽およびその内容物を腐らせる事のない接着剤を使用している タグアタッチメントの選定がありました。

結果

採用したRFIDシステムは以下で構成されています。
・樽用にカスタマイズされたRFIDタグ
・携帯可能なRFIDリーダーおよびそのソフトウェア
・RFIDタグを操作するソフトウェア
・樽管理用ソフトウェア
・SAPインターフェース

カスタマイズされた樽用タグはCypertrack製で、 Alean Technology Higgs UHF Gen2チップを頑丈な素材で包んでおり 熟成施設の環境や樽の長い耐用年数に耐えられるものです。 また、樽とタグとの接着剤は指定された環境的用件にかなった物を使用しています。

Gen2RFIDリーダー/ライター携帯端末を樽タグの読み取りに使用しています。 数々の機能を持つ樽トラッキングシステムアプリケーションも端末に組み込まれています。 端末のドックは樽トラッキングシステムサーバーにLANを介して繋がっています。

KWV用にカスタマイズされた樽トラッキングシステムは 必要とされたレポート機能と、ホストのSAPシステムへのインターフェースを備えます。 各々の樽は固定の基本的な情報と、製造工程および時間の経過に従って自動的に更新されるいくつかの情報を持ちます。

効果

RFIDシステムは自動化されたリアルタイムな 位置情報や資産(樽)の状態、商品情報の管理を可能にし、 生産工程の効率性を高めています。

具体的な利点は以下の通りです。
・保管場所のデータベースへの自動登録
・現在の樽の状態とその履歴の参照
・樽とバッチの位置と動きのリアルタイムレポート
・SAPへの自動統合
・認証済みPCでのみ動作するGUIを備えたプログラム
・自動で履歴を取るデータベース
・樽単位の自動登録機能